« Daz Studio で 球面パノラマ画像 | トップページ | 年賀状(2014年) »

2013/11/10

Daz Studio で IBL大域照明

Chelsea Roaring20s
照明: IBLのみ、レンダー: 環境光 GI モード(画質:Transformer XHigh)
フィギュア: A4 for Genesis (DAZ)、テクスチュア: Aiko4 Anime (DAZ)
衣装: Genesis Roaring 20's Outfit (Wilmapさん)
IBL及び背景用画像: Chelsea Stairs (sIBL Archive)
Chelsea_stairs_preview (クリックで別窓に球面スクロール表示、要Flash Player)

UberEnvironment2(以下UE2)用のIBL転換ソフト(以下Transformer)をアップデートして、
IBLによる大域照明(GI)
が使いやすくなったのでその紹介です。(ちなみに Transformer
を作った DS3.1 時代には、UE2のGIモードでは致命的不具合が出て実用外でした)

今回 GI モードが簡単に使えるような設定を試みたわけですが、上の一例だけでは AO
モードとの違いがわかりにくいかもしれません。またAOモードには、画像作り段階で直面
する厄介な現象もあります。

そこで、アップデート機能の調整に使ったテストパターンIBL画像で、結果が異なる様子を
少し取り上げてみました。以下まず簡単な2例で紹介。

テスト用IBL画像: 重なると白バランスする赤青系2色光源(png版)

2coloredlights 赤系と青系の2色の光源を90°離して配置。

2色が等量で重なった時グレイになる色合い。
右から線形色空間値 RGB(255, 128, 0) 、RGB(0, 128, 255)。

左の画像は(色合いをディスプレイで見るために)ガンマ 2.2 補正済。

例1(薄緑の球と白い床): 光がシーン奥から手前に向かって差し込む配置

Sphere_gi_xhigh GIモード

シーン左奥45°からの青い光が球で遮られる部分の床は、シーン右奥の赤い光で照らされているところが赤い影になります。

同様に、シーン右奥45°からの赤い光が球で遮られる部分の床は、シーン左奥の青い光で照らされているところが青い影になります。

間接光(この描画では1次のみ使用)が入っているため、球の下部は床からの照り返しで明るくなります。また影の部分にも程好く複雑な変化が生まれます。
Sphere_ao_xhigh AOモード

球の下部に黒い領域が出現します。これは床がその下から来る光を遮った時のAOで、使っているIBLにその方向からの光はないのですが、UE2のAO発生部では強い光がある時の処理を行っています。(強い光の逆側で発生するAOの不具合)

床の影部分は、
周囲に遮蔽物が全く無い時に当たる光の色を、周囲の遮蔽物の面積割合分だけ一律に減じて表現されているため、照射光の色と遮蔽光の色の違いによって生まれる影の色は表現できません。(AO色の設定ですべての影を同じ色合いにすることは可能)

また間接光がないため、影の濃さ変化が単調で(視覚のマッハバンド強調も加わって)影の輪郭やその交差部がくっきりしすぎています。
Sphere_idl
IDLモード
(間接光強度 = 100%、またこの例の場合にはなぜか画質を上げるとDSが落ちるため低画質描画)

UE2の IDL(Indirect Lighting)モードは擬似的なもので、間接光風味を加えた描画が行われます。

AOモードで暗黒部になる球の下部には、そこにAOを落とした(とみなされてしまっている)床の光景が、まるで鏡面のように描かれています。

床に落ちた球の影部分にも、そこから見た光の遮蔽物である球の光景が鏡面のように描かれています。影の傾きに沿って形は歪んでいますが‥

拡散反射と鏡面的な像とでは見た目が全く違うため、この効果を強く使うと不思議な絵になります。

例2(例1の球を竜に替えた場合): (クリック拡大可)

GIDragon_back_gi_xhigh 明るい床からの照り返しによって逆光でも静かに姿がわかる。影形状の複雑度に対してサンプルが不足しているため影はより薄く広がってボケている。 AODragon_back_ao_xhigh 照り返しのない明るさと色彩のない影によって、全体が影絵化。

光源位置180度回転(シーン手前から奥に向かって指し込む光)
GIDragon_front_gi_xhigh 右半分の青みがかった冷たさ、左ライトの赤い暖かみ、竜の腹部などの白バランスによって、光学的な像として安定化。 AODragon_front_ao_xhigh 竜に当たる光が持つ色彩感と床の均一グレイの影とがチグハグに。 床からの照り返しがなく、さらにAOが明るさを複雑に弱めてしまうため、それが材質側の汚れやムラ感に転化。結果、不思議な迫力が出る。

IBLの特徴は、多彩な色が光として複雑に融合しながら物体を照らすだけでなく、物体の
形状と材質によって照り返しがさらに多彩な光を加え、影もまた物体の形状と角度が生み
だす部分的な遮蔽効果によって、光の色と強さを複雑に変化させることにあります。
そのため、単純な AOモードでは、その状況を自在に描くことは不可能です(※1)

上の例で用いた IBL 画像はかなり特殊なものなので、もう一つ別の例を挙げておきます。
Transformer の初期設定で読みこまれる直交 3 色のテストパターン IBL の照明下に、
素の Genesis を置いたものです。

AO
Genesis_ao
首回り・脇腹・顔に異常に濃いAOが発生。シーン正面からは青い光、右からは赤い光があるため、このように濃い影は本当の光では発生しない。主としてシーン上からの緑の光の影を表すAO。
GI
Genesis_gi
光源の強度バランス・間接光・環境光サンプル方式などが異なるため、各部の色合いはAO版とは少し違っている。しかし大きな暗い個所はなく、遮蔽による影は照らす色の違いによって表現されている。

これまでなら具合の悪い AO が出た場合は、補正すべくいろいろ試した末に泣く泣くボツ。
あるいは他のレンダラーを使ってみるなど…。そんな時の選択肢に UE2 の GI モードが
追加されたわけです。

ただし髪や SSS などの重い材質処理とは、AOよりもさらに相性が悪く時間が掛ります。
したがって描画時間を短縮したい場合には、髪はUberSurfaceを使って影受け(Accept
Shadow)をオフにしたり、SSSもオフにするかSSS不使用のテクスチュアを使うなどの
妥協策を取る必要があるでしょう。

主ライトを置いて IBLは軽く使う場合なら、Transformer の GI 画質は Low でも問題がない
かもしれません。逆に IBLを主光源にする場合には、Medium ~ XHigh が必要になるで
しょう(※2)

ただし UE2 の GI モードには間接光強度の扱いに不具合があるので、間接光が強すぎる
場合には間接光をオフにするしか、今のところ回避策が見当たりません(※3)

-----
※1) 例えば、人肌部でのAO色の違和感を減らすべく、AO強度を下げたりAO色を人肌に近づけたり
して"目立たない"ように抑えることなどは、シーンやカメラアングルによってはある程度まで可能です。

※2) GI 画質 Medium の例

Xixxin_harbor_med ←クリック拡大

照明: IBLのみ、画質:Transformer GI モード Medium
フィギュア&テクスチュア: XinXin for A3 (Yamatoさん)
髪: Koz's Short Bob (kozaburoさん)
衣装: MMDenimD for A3 (mamomamoさん)
IBL&背景画像: Harbour 1 (sIBL Archive)
Harbour_1_thumb     (クリックで別窓に球面スクロール表示)

※3) UE2 の GI モードでは、間接照明強度(Indirect Lighting Strength) を変化させると直接光の影響ま
で同時に変化してしまいます。そのため間接光の影響が(直接光の影響に比べて)相対的に強すぎる
場合、これを抑える手段が存在しません。(全材質の拡散強度を下げて照明強度を上げる方法も無効)
したがって間接光の影響が過剰な場合は、レンダー設定側の最大光線追跡深度で間接光をオフにする
(Render Settings Pane -> Max Ray Trace Depth = 1)しかないようです。

|

« Daz Studio で 球面パノラマ画像 | トップページ | 年賀状(2014年) »

コメント

おそまき様お久しぶりーっ です。
UE2のGIモード、色々試しながら使わせてもらってます。
3)の、間接照明強度を迎えたまま、直接光の影響を調整する方法として、
UE2を複製して、片方はイルミネーション only モードや、AOモードと組み合わせれる
んじゃないかと思ったんですが、根本的に間違ってるでしょうか(笑)

(霧のある話、あまりにも数学的すぎて理解できないですが、あんなすごいことが
できるんですね、リリース? されたらぜひ使いたいです。

手遅れだろう、、と思いながらRSL少しずつ勉強中ですが難しすぎですっw)

投稿: gonzou | 2015/06/04 18:42

gonzouさん、気付くのがまたまた遅れて申し訳ありません。
UE2を2つ使う方法はやってみないと何が起きるかわからないです。

RSLは最小限度のプログラミングさえできれば良いので、
(言語系の技術としては)これ以上はないぐらいに易しいですよ。
たぶんほとんどの人のネックはDSとのインターフェース部(DazScriptの塊)ですね。
なので、DSのシェーダとして使うことは忘れて、フリー版の3Delightベースで使えば、
便利で簡単にオリジナル効果が得られます。
(具体的には、DSで原型シーンを作ってRIBファイルに出力。
その中のRSLシェーダ指定を自作の物と置き換えたり追加したりして、
そのRIBファイルをフリー版3Delightでレンダーする流れ)

投稿: おそまき | 2015/06/27 02:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/554431/58411382

この記事へのトラックバック一覧です: Daz Studio で IBL大域照明:

« Daz Studio で 球面パノラマ画像 | トップページ | 年賀状(2014年) »